
関西電力幹部の金品受領問題を再調査している第三者委員会(委員長・但木敬一元検事総長)は15日、大阪市内で記者会見を開き、但木氏は「1980年代の幹部までさかのぼり、やれるだけの調査をやる」と述べた。受領した幹部の人数は関電の社内調査が認定した20人から拡大するのは必至で、80年代後半に受け取ったと毎日新聞に証言した元幹部らも加えると、少なくとも30人を超える見通しだ。
関電が昨年9月にまとめた社内調査では、原発のある福井県高浜町で87年まで助役だった森山栄治氏(故人)らから、幹部20人が2006~18年に約3億2000万円相当の金品を受け取っていたと認定。その内容と非公表にしていた姿勢に批判を浴びた関電が、今年10月に第三者委を設置した。15日の会見は報道機関の求めに応じて開かれた。
第三者委が最終報告をする期限について、関電は「年内」と要請していたが、越年する。その理由について但木氏は「調査を進めると、もっと奥の深い話も出てくる。それを調べるには結構時間がかかる」と説明した。但木氏は「関電のガバナンス(企業統治)の空白期間を長期化させたくはないが、年度内も非常に微妙だ」とも述べた。
これまでに第三者委は、関電の役員や社員ら100人超から直接聞き取ったほか、約600人に書面で調査して、ほぼ全員から協力を得たという。11月上旬には高浜町を訪れ、原発などを視察した。
社内調査で認定した20人以外に、毎日新聞の取材に対して大飯原発(福井県おおい町)や京都支店(現京都支社)の元幹部ら7人が現金や商品券などの受領を認めた。他に送配電部門の幹部ら3人の受領を関電が明かしている。【宇都宮裕一、鈴木健太】
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