https://mainichi.jp/articles/20200506/k00/00m/010/076000c
毎日新聞2020年5月6日 14時39分(最終更新 5月6日 14時39分)
陸上自衛隊新屋演習場(左)。右奧は秋田市街地=秋田市で2018年7月27日、本社機「希望」から
防衛省は陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」について、当初目指していた陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)への配備を断念する方針を固めた。新屋は住宅地に近く地元の反発が強いため、配備は困難と判断した。政府は新屋を除く県内9カ所の国有地を中心に配備先を検討する。
イージス・アショアを巡っては、政府は山口、秋田両県への配備を目指しており、当初、秋田では新屋を候補地としていた。ところが地元の反発が広がったことに加え、昨年6月に地元への説明資料に多数の誤りが発覚。説明会でも職員が居眠りをするなど一層反発が強まった。そうしたことを踏まえ、同省は選定をやり直すため、新屋を含めた青森、秋田、山形の3県20カ所の国有地で再調査を進めていた。
陸上自衛隊新屋演習場
だが、秋田県の佐竹敬久知事が今年1月、河野太郎防衛相との会談で「新屋は住宅密集地に近く、県として理解する状況には至らない」と撤回を要請。自民党秋田県連の金田勝年会長も2月と4月、河野氏に「新屋配備は無理がある」と伝えた。政府内でも「地元の了解がないと難しい」との見方が広がり、防衛省も「地元の首長が反対している状況で新屋への配備は難しい」(幹部)と判断した。
政府は「アショア2基で全国をカバーするには秋田、山口が最適」との従来の立場は維持し、新屋を除く県内9カ所の国有林などから候補地を絞り込む検討を進める。
ただ、再調査を巡っては、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で3月20日の再調査期限は2度の延長で5月末まで先送りされ、4月中に予定していた河野氏の現地視察のめども立っていない。防衛省は再調査の報告や河野氏の視察を踏まえ、選定作業を進める方針だ。【田辺佑介】
毎日新聞2020年5月6日 14時39分(最終更新 5月6日 14時39分)
![陸上イージス「新屋」断念 防衛省、秋田県内中心に選定へ [ひよこ★]->画像>2枚](https://cdn.mainichi.jp/vol1/2020/05/06/20200506k0000m010074000p/9.jpg)
陸上自衛隊新屋演習場(左)。右奧は秋田市街地=秋田市で2018年7月27日、本社機「希望」から
防衛省は陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」について、当初目指していた陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)への配備を断念する方針を固めた。新屋は住宅地に近く地元の反発が強いため、配備は困難と判断した。政府は新屋を除く県内9カ所の国有地を中心に配備先を検討する。
イージス・アショアを巡っては、政府は山口、秋田両県への配備を目指しており、当初、秋田では新屋を候補地としていた。ところが地元の反発が広がったことに加え、昨年6月に地元への説明資料に多数の誤りが発覚。説明会でも職員が居眠りをするなど一層反発が強まった。そうしたことを踏まえ、同省は選定をやり直すため、新屋を含めた青森、秋田、山形の3県20カ所の国有地で再調査を進めていた。
![陸上イージス「新屋」断念 防衛省、秋田県内中心に選定へ [ひよこ★]->画像>2枚](https://cdn.mainichi.jp/vol1/2020/05/06/20200506k0000m010073000p/9.jpg)
陸上自衛隊新屋演習場
だが、秋田県の佐竹敬久知事が今年1月、河野太郎防衛相との会談で「新屋は住宅密集地に近く、県として理解する状況には至らない」と撤回を要請。自民党秋田県連の金田勝年会長も2月と4月、河野氏に「新屋配備は無理がある」と伝えた。政府内でも「地元の了解がないと難しい」との見方が広がり、防衛省も「地元の首長が反対している状況で新屋への配備は難しい」(幹部)と判断した。
政府は「アショア2基で全国をカバーするには秋田、山口が最適」との従来の立場は維持し、新屋を除く県内9カ所の国有林などから候補地を絞り込む検討を進める。
ただ、再調査を巡っては、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で3月20日の再調査期限は2度の延長で5月末まで先送りされ、4月中に予定していた河野氏の現地視察のめども立っていない。防衛省は再調査の報告や河野氏の視察を踏まえ、選定作業を進める方針だ。【田辺佑介】