国民民主党の玉木雄一郎代表は「政策提案型の改革中道路線」で注目される
国民民主党を率いる玉木雄一郎代表(52)が、夕刊フジの単独インタビューに応じた。同党は、政権批判やスキャンダル追及に終始しがちな一部野党とは違い、「政策提案型の改革中道路線」を貫いている。次期衆院選にどう臨むのか。日本の外交・安全保障政策への注文、政権奪取への意欲などを聞いた。
「結党から7カ月が過ぎたが、手応えを感じている。中でも、孤独問題担当相の新設は、私たちの2019年参院選での公約が反映されたかたちとなり、良かった」
玉木氏はこう語った。
国民民主党は昨年9月、理念と政策の違いから、枝野幸男代表の立憲民主党に合流せずに残った15人の勢力で、新たに旗揚げした。現在の所属国会議員は19人(衆院7人、参院12人)を数える。
報道各社の世論調査ではまだまだだが、玉木氏は前を向く。
「政権批判に終始するだけで民意をつかみきれないのが、この数年の野党の実態だった。現実路線の私たちの立ち位置こそが、『いまの自民党では物足りない』という保守層にも受け入れられる軸になれる。国民が安心して選択できる、新しい政策の組み合わせをつくり、愚直に訴え続けることが大事だと感じる」
注目は、次期衆院選での野党共闘だ。
日本を取り巻く安全保障環境が激変するなか、党綱領に「自衛隊の解消」「日米安保条約の廃棄」を掲げる共産党との連携には、有権者も注目している。
玉木氏は「先の参院長野選挙区補欠選挙に絡んで、立憲民主党は共産党との間で政策をまとめてから、こちらに対応を求めてくることがあったが、順番が違う。私たちと現実的な政策をまとめたうえで、共産党にも協力を求める方が、国民の支持は広がりやすいのではないか」と語る。
国民民主党は安全保障政策も、現実路線だ。
玉木氏は「(1対1の対決構図を想定した)小選挙区制である以上、戦術的にはあらゆる政党と組むことは否定しないが、大切なのは政策だ。有権者はよく見ている。特に外交・安全保障でごまかせば、仮に政権を奪取しても、瓦解(がかい)するだけだ」と指摘する。
日本の外交・安全保障は、軍事的覇権拡大を強める中国との向き合い方が問われている。
玉木氏は「日本外交はいつまでも受け身ではダメだ。具体的な行動に出ることが求められている。日米同盟の強化にしても、『台湾有事』でどこまで協力できるかなどを真剣に議論すべきだ。中国の新疆ウイグル自治区での人権弾圧にも、海外での人権侵害行為に制裁を科す『マグニツキー法』の日本版を整備すべきだと訴えている。沖縄県・尖閣諸島の防衛も、『自分の国は自分で守る』という姿勢を、より明確に打ち出さなければならない。次の総選挙では支持を広げて、2020年代には政権を獲り、日本を刷新したい」と語っている。
取材・村上智博
カメラ・飯田英男
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/210505/pol2105050001-n1.html