ウクライナ各地に大規模攻撃、死者・けが人も 発電・送電施設狙いか
キーウ=藤原学思
2024/11/17 15:52
://www.asahi.com/sp/articles/ASSCK24FDSCKUHBI00MM.html
ロシア軍は17日午前、ウクライナ各地に大規模攻撃を行った。首都キーウでは複数回にわたって爆発音が聞こえた。当局によると、5階建ての集合住宅にドローン(無人機)の残骸が落ち、女性1人が病院に運ばれた。
ウクライナメディアによると、ほかにも複数の都市で爆発音が確認されたという。南部ミコライウではドローン攻撃により女性2人が死亡し、6人が負傷したと市長が明らかにした。
ウクライナ空軍によると、ロシア軍はドローンの他に、巡航ミサイルや弾道ミサイルを使って攻撃。時速1万キロを超えるとされる極超音速ミサイル「キンジャル」も使われたという。
ハルシチェンコ・エネルギー相によると、今回の攻撃の対象は「ウクライナ全土の発電、送電施設」。キーウのほか、複数の地域で緊急停電の措置が取られている。
2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの全面侵攻は、今月19日で開始1千日目となる。国連のウクライナ人権監視団によると、確認できているだけで8月末までに子ども641人を含む1万1743人が亡くなった。負傷者は2万4614人確認されている。ただ、同監視団は死者、負傷者ともに実際にはさらに多いとしている。(キーウ=藤原学思)
ロシア軍 ウクライナのエネルギー施設を攻撃 全土で計画停電へ
2024年11月18日 5時18分
://www3.nhk.or.jp/news/html/20241118/k10014641461000.html
ウクライナではロシア軍が各地のエネルギー施設を標的にこの3か月で最大規模とされるミサイルと無人機による攻撃を行ったことを受けて、18日に全土で計画停電が実施されることになり、本格的な冬を前に影響が広がっています。
ウクライナ軍は17日、ロシア軍が極超音速ミサイルだとする「キンジャール」や巡航ミサイルなどあわせて120発のミサイルと90機の無人機で攻撃を仕掛け、このうち102発のミサイルと42機の無人機を撃墜したと発表しました。
標的はウクライナ全土のエネルギー施設だとしていて、首都キーウの当局は、これだけ強力な攻撃が行われたのはおよそ3か月ぶりだとしています。
地元の当局などによりますとこれまでに南部のオデーサ州やミコライウ州、西部のリビウ州であわせて5人が死亡し、東部ドニプロペトロウシク州では鉄道の施設が被害を受け、鉄道会社の職員2人が死亡しました。
このうちオデーサ州ではインフラ施設に被害が出て、停電や断水となり、暖房の供給も止まりました。
また、リビウ州でも地域の暖房システムが被害を受けたことで6000人が一時的に暖房の供給のない状態に陥ったということです。
国営の電力会社「ウクルエネルゴ」は、攻撃でエネルギー施設が被害を受けたとしてウクライナ全土で18日の午前6時から午後10時の間に計画停電を実施すると発表し、本格的な冬を前に影響が広がっています。
ウクライナではロシア軍の攻撃でことし3月から8月にかけて発電所などが深刻な被害を受けていて、日本政府は16日にオデーサとハルキウにエネルギー支援として新たな発電機などの供与を発表したばかりでした。